2011年8月6日土曜日

九州国立博物館文化財保存交流セミナー II 参加記録

資料保存班の後輩達3人と、九州国立博物館へ。
特別展『よみがえる国宝 - 守り伝える日本の美 - 』を見るのと、関連セミナーの
文化財保存交流セミナー II「日本の宝を守る、蔵を継ぐ」に参加するため。

何回かあるセミナーで今日を選んだのは、今日が一番紙資料に関する発表が多かったから。

会場に着くと、入口に今日のプログラムが掲示されてる。
おっ、「展示作品の保存修理事例解説」でも紙資料修復の話があるじゃないか!ラッキー!

「展示作品の保存修理事例解説」、最初は漆器修復の話。
2番目が書籍修復の事例紹介。
対馬宗家文書を中心に、いろいろな修復事例の写真と技法の紹介をしていただいた。
虫損の形に紙を漉いて埋め貼りしていくって、気が遠くなりそう・・・。

次が今日の私的メイン、「宮内庁書陵部の資料管理」。
宮内庁書陵部で資料の管理を担当されている中村さんの講演。
一番最初におっしゃった、「保存という仕事は創意工夫の連続で、本当に面白い」とのお言葉がとても印象的だった。ホントにそうだと思う。
すごいのが、現在でも機械空調をしていないという書庫。
建て直した際(97年竣工らしい)にも、あえて空調を入れない選択をしたとのこと。
その設備で温湿度を維持&庫内環境管理をするのは大変そうだけど、出来ないことではないって分かった。
詳細書くと大変なことになるので、キーワードだけ。
 ☆やっていることの監視が重要である!
 ☆季節に逆らわない保管
 ☆埃をためない、湿気をためない
 ☆データは一年間通して集めないと使えない
一度見学に行ってみたいけど、難しそうだなぁ・・・

ここで昼休み。
さくさくっと持参のお昼を食べて、展示を見にGO。ここしか暇がない!
企画はあまり一般受けするものではない(と思う)けど、展示されてるものは国宝級からある。
それぞれにどのような処置がされているのか、具体的なところが展示されてなかったのが
そこら辺を勉強してる身としては残念。
正倉院が実物大で再現されてて、高床っぷりにびっくりした。
これも一度本物を見に行ってみたい。
(あ、今年9月から工事で公開中止ってなってる・・・残念。でも手続きなし無料で見れるのね。)

午後からは、その正倉院の方のお話。
宝物の管理・曝涼についてはなかなか興味深かったけど、一部寝オチてしまった(爆)
所長さんのお話は概念的というか、保存のお話じゃなかったのでややぼんやりと聞いた。

公演が終わって、バックヤードツアーへ。
普段あってるものではなく、今回用のスペシャルバージョン。
書籍・漆芸・絵画の各修復室に入れていただき、担当の方の説明を頂いた。
前回裏を見せていただいた時は修復室には入れなかったし駆け足だったので、
ゆっくり見れて良かった。
何故か講師の方達と同じ関係者グループに入れられてしまったのでビミョーな居心地だったけど、
その方々からの質問が突っ込んだもので勉強になって良かったかもしれない。

終わったら17時半過ぎ。閉館時刻も過ぎちゃってる。
天満宮の参道に出て、梅が枝餅をいただき、電車にて帰路に。

や、密度の濃い一日になった。
やたら厚くて重たい図録、買ったは良いけどいつ読もう。
絶対職場には持ってかないぞ・・・

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